広告運用を外注しようと考えても、「広告代理店が多すぎて、何を基準に選べばよいかわからない」「料金や実績だけで比較してよいのだろうか」と悩む方も多いのではないでしょうか。
広告代理店によって、得意とする広告媒体や業界、対応範囲、料金体系、運用体制は異なります。手数料の安さや会社の知名度だけで決めてしまうと、期待した成果が得られなかったり、契約後に追加費用が発生したりする可能性があります。
本記事では、広告代理店の主な種類から、選定前に整理しておきたい項目、失敗しないための比較ポイント、具体的な選定手順まで解説します。広告代理店選びでよくある失敗や、費用・契約に関する疑問も紹介するので、依頼先を検討している方はぜひ参考にしてください。
Contents
広告代理店の主な種類

広告代理店には、幅広い広告媒体を扱う会社もあれば、特定の媒体や広告手法に特化している会社もあります。
代表的な種類は「総合広告代理店」「専門広告代理店」「Web広告代理店」の3つです。まずは、それぞれの違いを確認してみましょう。
| 種類 | 主な特徴 | 向いている企業 |
|---|---|---|
| 総合広告代理店 | テレビ・新聞・雑誌・Web・屋外広告など幅広い媒体に対応 | 複数媒体を組み合わせた大規模なプロモーションを行いたい企業 |
| 専門広告代理店 | 特定の媒体・広告手法・業界などに特化 | 利用したい媒体や業界が明確で、専門的な支援を受けたい企業 |
| Web広告代理店 | リスティング広告・SNS広告・ディスプレイ広告などWeb広告を中心に支援 | Web広告を中心に集客・問い合わせ・売上を伸ばしたい企業 |
リスティング広告やSNS広告など、Web広告の運用だけを代理店へ依頼したい場合は、Web広告代理店を中心に比較するとよいでしょう。すでに依頼したい領域が決まっている方は、種類ごとの詳しい説明を飛ばして、次の「広告代理店を選ぶ前に整理しておくこと」から確認してください。
それぞれの特徴について、以下で詳しく解説します。
総合広告代理店
総合広告代理店とは、テレビや新聞、雑誌、Web広告、屋外広告など、幅広い広告媒体を横断して取り扱う代理店です。
広告戦略の立案からメディア選定、クリエイティブ制作、広告出稿まで一括して依頼できる会社もあり、複数の媒体を組み合わせた大規模なプロモーションに向いています。
たとえば、新商品の発売に合わせてテレビCMを放映しながら、Web広告や交通広告でも認知を広げるといった施策を実施できます。
一方、対応範囲が広い会社では、一定以上の広告予算や最低出稿額が設定されているケースもあります。自社の予算規模や依頼したい施策に合っているかを確認したうえで検討しましょう。
専門広告代理店
専門広告代理店とは、特定の広告媒体や業界、広告手法などに特化した代理店です。
たとえば、交通広告や屋外広告、SNS広告など特定の媒体を得意とする会社のほか、医療や不動産、人材など特定業界に強みを持つ会社もあります。
自社が利用したい媒体や属する業界と代理店の専門分野が一致すれば、蓄積された知識や運用ノウハウを活用しやすい点がメリットです。
ただし、「対応可能」と「得意としている」は同じではありません。公式サイトのサービス一覧だけを見るのではなく、該当する媒体や業界でどの程度の支援実績があるのかも確認しましょう。
Web広告代理店
Web広告代理店は、Google広告やYahoo!広告などのリスティング広告、ディスプレイ広告、SNS広告、動画広告など、インターネット広告の運用を中心に支援する代理店です。
Web広告は、表示回数やクリック数、コンバージョン数などを計測できるため、配信結果を分析しながらキーワードや入札、ターゲティング、クリエイティブなどを継続的に改善できます。
Web広告代理店によって支援範囲は異なります。広告運用だけに対応する会社もあれば、LP制作・改善、アクセス解析、SEO、広告運用の内製化支援まで対応する会社もあります。
広告からの流入は獲得できていても、LPの内容に問題があればコンバージョンにはつながりません。広告以外も含めた改善を求める場合は、WebサイトやLPの支援範囲まで確認しましょう。
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広告代理店を選ぶ前に整理しておくこと

広告代理店へ問い合わせる前に、自社の目的や予算、依頼範囲を整理しておくことが重要です。
条件が曖昧なまま複数社へ相談すると、各社から異なる前提の提案が出され、料金やサービス内容を公平に比較しにくくなります。
ここでは、広告代理店を探し始める前に整理しておきたい4つの項目を紹介します。
広告を出稿する目的と目標
まずは、「なぜ広告を出稿するのか」を明確にしましょう。
広告を実施する目的には、次のようなものがあります。
- 商品やサービスの認知度を高める
- 問い合わせや資料請求を増やす
- ECサイトの商品購入につなげる
- 店舗への来店を増やす
- 採用応募を増やす
目的が異なれば、適している広告媒体やターゲット、訴求内容も変わります。
目的を決めたら、問い合わせ数やコンバージョン数、CPA(顧客獲得単価)、ROAS(広告費用対効果)など、代理店と共有する目標・KPIも設定しておきましょう。
「とにかく売上を増やしたい」といった曖昧な状態では、代理店側も適切な媒体や予算配分を提案しにくくなります。
広告にかけられる予算
広告予算を考える際は、「広告媒体へ支払う広告費」と「広告代理店へ支払う費用」を分けて考えましょう。
代理店へ依頼する場合は、媒体へ支払う広告費だけでなく、運用手数料や初期費用、バナー・LPなどの制作費が発生する可能性があります。
運用型広告の手数料は、広告費の20%前後が相場の一つです。たとえば、月100万円を広告媒体へ出稿し、運用手数料が20%の場合、代理店へ支払う手数料は20万円となり、広告費と合わせて月120万円かかります。代理店によっては最低手数料や初期費用が設定されている場合もあります。
また、バナーや動画、LPなどのクリエイティブ制作費は運用手数料に含まれず、別途費用がかかるケースもあります。見積もりを確認する際は、広告費だけでなく、運用・制作を含めた総額で比較しましょう。
月間予算だけでなく、「半年間運用する」「1年間継続する」など運用期間も含めて検討することも大切です。
広告予算によって利用できる媒体や依頼できる代理店が変わる場合もあるため、問い合わせ時には「媒体費として月○万円」「手数料・制作費を含めて総額月○万円」など、予算の範囲を明確に伝えることをおすすめします。
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代理店へ依頼したい業務範囲
広告代理店によって、対応できる業務範囲は異なります。たとえば、次のような業務があります。
- 広告戦略の立案
- 広告媒体の選定
- キーワード・ターゲット設計
- 広告アカウントの構築
- 広告運用・改善
- バナーや動画の制作
- LPの制作・改善
- コンバージョン計測の設定
- アクセス解析
- レポート作成
- 定例ミーティング
- 広告運用の内製化支援
すべてを代理店へ任せる必要はありません。自社でバナーを制作できるのであれば広告運用だけを任せるなど、社内で対応する範囲と代理店へ依頼する範囲を整理しましょう。
複数の代理店を比較する際にも、依頼範囲を統一しておけば見積金額の違いを判断しやすくなります。
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社内の担当者と意思決定体制
広告代理店に運用を依頼する場合でも、自社側の担当者は必要です。
代理店との窓口になる担当者だけでなく、バナーや広告文を確認する担当者、予算変更を承認する責任者なども決めておきましょう。
たとえば、代理店から「成果のよいキャンペーンへ予算を追加したい」と提案された場合、社内承認に1週間かかれば、改善のタイミングを逃す可能性があります。
広告運用では状況に応じた判断が必要になるため、誰がどこまで判断できるのかをあらかじめ決めておくことが重要です。
また、商品・サービスの情報や営業現場で得られた顧客の声などは、自社にしか提供できません。広告代理店へ任せきりにせず、必要な情報を共有できる体制を整えておきましょう。
失敗しない広告代理店の選び方・比較ポイント

広告代理店を比較する際は、料金や会社の規模だけで判断するのではなく、自社との相性を複数の視点から確認する必要があります。
特に確認しておきたいポイントは、次の10項目です。
- 自社の目的に合う広告媒体を扱っているか
- 自社と近い業界・商材の支援実績があるか
- 実際の運用担当者に十分な経験があるか
- 自社の課題を踏まえた提案があるか
- 運用・改善の体制が明確か
- レポートと定例ミーティングの内容が十分か
- 費用とサービス範囲が明確か
- 広告アカウントの情報が開示されるか
- コミュニケーションを取りやすいか
- 契約期間や解約条件に問題がないか
「具体的にどの広告代理店へ依頼すればよいのか知りたい」という方は、リスティング広告の運用代理店を比較した以下の記事も参考にしてください。おすすめの運用代理店5社と、代理店選びで確認したいポイントを紹介しています。
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それぞれの比較ポイントについて、以下で詳しく解説します。
1.自社の目的に合う広告媒体を扱っているか
最初に確認したいのが、自社の目的に適した広告媒体を扱っているかどうかです。
Web広告だけでも、リスティング広告、ディスプレイ広告、Meta広告(Instagram・Facebookなど)、YouTube広告など複数の選択肢があります。
たとえば、すでにニーズが顕在化し、商品やサービスを検索しているユーザーへアプローチしたい場合は、リスティング広告が向いています。検索キーワードに応じて広告を表示できるため、問い合わせや購入を検討しているユーザーへ接触しやすいのが特徴です。
一方、まだ商品やサービスを知らない潜在層へ認知を広げたい場合は、Meta広告が選択肢になります。InstagramやFacebookのフィードなどで画像や動画を配信できるため、検索行動に至っていないユーザーにも商品・サービスを知ってもらうきっかけを作れます。
このように、広告の目的によって適した媒体は異なります。単に「その媒体を取り扱えるか」だけでなく、自社の目的に合わせて媒体を選定できるか、その媒体で十分な運用実績があるかまで確認しましょう。
また、代理店によっては、自社が得意とする広告媒体を中心に提案する場合があります。
たとえば、「SNS広告を得意としているからMeta広告をおすすめする」といったように、広告主の課題やターゲットよりも、代理店側の得意分野が優先されていないかには注意が必要です。
重要なのは、特定の媒体を最初から前提とするのではなく、自社の目的やターゲット、商材、予算などを分析したうえで、適切な広告媒体を提案してくれるかどうかです。
提案を受ける際は、「なぜこの媒体が自社に適しているのか」まで根拠を説明してもらえるかを確認しましょう。
2.自社と近い業界・商材の支援実績があるか
自社と近い業界や商材の支援実績も確認しましょう。
同じ広告媒体でも、数千円の商品を販売するECサイトと、数百万円のBtoBサービスでは顧客の検討期間や購買プロセスが大きく異なります。
確認する際は、単に「同業界の支援実績がありますか」と聞くだけでは不十分です。
たとえば、次のように質問してみましょう。
- どのような課題を抱えていた企業を支援したか
- どの媒体を利用したか
- どのような施策を実施したか
- どの指標がどの程度改善したか
- 自社と近い価格帯・顧客層の商材を扱った経験があるか
代理店の公式サイトでは守秘義務などの理由から、具体的な実績を掲載していない場合もあります。Webサイトだけで判断せず、問い合わせや資料請求を通じて確認することも大切です。
ただし、会社として豊富な実績があるからといって、自社を担当する運用者にも同じ経験があるとは限りません。
過去の成功事例を担当した運用者がすでに在籍していなかったり、契約後は経験の浅い担当者が配置されたりする可能性もあります。そのため、会社全体の実績だけでなく、実際に自社アカウントを担当する運用者が、その業界や商材を扱った経験を持っているかまで確認しましょう。
また、同じ業界の成功事例があっても、事業規模や広告予算、事業フェーズ、ターゲットが異なれば、その施策をそのまま当てはめられるとは限りません。
実績は重要な判断材料ですが、それだけを決め手にせず、自社の事業や現在の課題を理解したうえで、なぜその施策が適しているのかを具体的に説明できるかも確認することが重要です。
3.実際の運用担当者に十分な経験があるか
広告代理店を選ぶ際は、会社全体の実績だけでなく、「自社の広告を実際に運用する担当者」にも注目しましょう。
商談を担当する営業担当者が豊富な知識を持っていても、契約後は別の担当者が広告運用を行う場合があります。
契約前に、次のような点を確認しておくと安心です。
- 運用担当者の広告運用経験
- 得意な媒体や業界
- 担当者一人あたりの案件数
- チームでサポートする体制があるか
- 契約後に担当者が変更される可能性
- 担当者変更時の引き継ぎ方法
可能であれば、契約前の打ち合わせに実際の運用担当者にも参加してもらいましょう。
実際に会話することで、知識や説明力だけでなく、コミュニケーションの取りやすさも確認できます。
4.自社の課題を踏まえた提案があるか
優れた広告代理店を見極めるためには、提案内容が自社の課題に合わせて設計されているかを確認しましょう。
「この広告媒体で成功した事例があります」といった一般的な説明だけでは、自社でも同様の成果が出るとは限りません。
なぜその媒体を選んだのか、なぜその予算配分なのか、なぜそのターゲット設定なのかなど、提案の根拠を確認することが大切です。
たとえば、問い合わせ数が伸びない原因が広告ではなくLPにあるなら、広告の出稿額を増やすだけでは改善できません。
広告運用だけに固執せず、必要に応じてLPやサイト、クリエイティブの改善まで提案してくれる代理店であれば、より本質的な課題解決を期待できます。
5.運用・改善の体制が明確か
Web広告は、一度出稿して終わりではありません。
広告の配信データを確認し、キーワードや入札額、ターゲット、広告文、バナーなどを継続的に改善する必要があります。
契約前には、「毎日確認しています」といった曖昧な回答だけでなく、具体的な運用方法を確認しましょう。
たとえば、次のような質問があります。
- 数値はどの程度の頻度で確認するか
- どの項目を改善対象としているか
- 広告文やバナーはどの程度の頻度で検証するか
- 成果が悪化した場合はどのように原因を分析するか
- 改善施策は誰が立案するのか
重要なのは、単なる入稿作業ではなく、成果に応じて改善を続けられる体制があるかどうかです。
6.レポートと定例ミーティングの内容が十分か
広告運用の状況を把握するためには、レポートや定例ミーティングの内容も重要です。
契約前に、レポートの提出頻度や掲載される指標、定例ミーティングの有無を確認しましょう。
表示回数やクリック数だけでは、事業への貢献度を判断できません。問い合わせや資料請求、購入、売上など、自社の目的につながる指標まで確認できることが理想です。
また、単に数値を読み上げるだけの定例会では十分とはいえません。
「CPAが前月より悪化した理由」「どこに改善余地があるのか」「翌月は何を試すのか」など、データをもとに課題と改善策を説明してもらえるかを確認しましょう。
7.費用とサービス範囲が明確か
広告代理店を比較する際は、総額だけでなく費用の内訳を確認しましょう。
主に確認したい費用は次のとおりです。
- 初期費用
- 広告媒体へ支払う広告費
- 広告運用手数料
- 最低手数料
- バナー・動画の制作費
- LP制作・改善費
- 計測環境の構築費
- レポート作成費
- ツール利用料
リスティング広告の運用費は広告予算に対して10~20%程度、広告費連動型では20%程度が一般的な目安です。実際の料金体系は代理店や支援内容によって異なるため、個別に確認しましょう。
たとえば、A社が運用手数料10%、B社が20%でも、A社ではLP改善やレポート、定例ミーティングが別料金で、B社では一定範囲まで含まれているのであれば、単純にA社のほうが安いとは判断できません。
また、運用手数料が10%前後と相場より低い場合は、どこまで運用工数をかけてもらえるのかを必ず確認しましょう。
特に月間の広告出稿額がそれほど大きくない場合、手数料率が低いと代理店側が確保できる運用費も小さくなります。その結果、下記のような事態が起きることも考えられます。
- 日々の運用・改善にかける工数が少ない
- レポートが簡易的、または別料金
- 定例ミーティングがない
- 改善提案の頻度が少ない
- LPやクリエイティブ改善が支援範囲に含まれない
一方で、月間数百万円以上など広告出稿額が大きい場合は、手数料率が10%でも代理店側の報酬額を十分に確保できるため、一概に問題があるとはいえません。
そのため、手数料率の低さだけで代理店を選ばず、「その金額で誰が・どの頻度で・どこまで改善してくれるのか」を確認することが重要です。料金が極端に安い場合は、レポートや定例会、改善提案の頻度まで契約前に確認しておきましょう。
8.広告アカウントの情報が開示されるか
広告運用の透明性を確保するため、広告アカウントや管理画面を広告主側でも確認できるかを聞いておきましょう。
広告主が管理画面を閲覧できれば、実際の広告配信額やクリック数、コンバージョン数などを直接確認できます。
一方、代理店から送られるレポートだけでしか状況を確認できない契約では、実際の配信状況を把握しにくくなる場合があります。
特に確認しておきたいのは次の点です。
- 広告アカウントを閲覧できるか
- 広告費と代理店手数料が分けて提示されるか
- 契約終了後も広告アカウントを利用できるか
- 過去の広告データを引き継げるか
将来的に広告代理店を変更したり、広告運用を内製化したりする可能性も考え、契約前に確認しておきましょう。
9.コミュニケーションを取りやすいか
広告代理店とは、契約後も継続的にやり取りすることになります。
そのため、実績や料金だけではなく、コミュニケーションの取りやすさも重要な判断材料です。
問い合わせや商談の段階から、次のような点を確認しましょう。
- 質問への回答が速いか
- 専門用語をわかりやすく説明してくれるか
- 自社の商品や顧客について積極的に質問してくれるか
- メリットだけでなくリスクも説明してくれるか
- 自社の意見を聞いたうえで提案してくれるか
広告運用では、自社の商品・サービスや顧客について代理店に理解してもらう必要があります。
一方的に施策を提案する会社ではなく、自社と同じ目線で課題を共有し、継続的に相談できる相手かどうかを見極めましょう。
10.契約期間や解約条件に問題がないか
広告代理店との契約では、契約期間や解約条件も必ず確認しましょう。
特にチェックしておきたい項目は次のとおりです。
- 最低契約期間
- 自動更新の有無
- 解約申請の期限
- 中途解約時の違約金
- 制作物の権利
- 広告アカウントの取り扱い
- 運用データの引き継ぎ方法
たとえば、「3か月前までに解約を申し出なければ自動更新」といった条件を把握していなければ、代理店を変更したくてもすぐに変更できない可能性があります。
広告成果だけでなく、契約終了時まで想定したうえで条件を確認しましょう。
広告代理店を比較・選定する流れ

広告代理店を選ぶ際は、気になった1社へ相談してそのまま契約するのではなく、複数社を同じ条件で比較することが大切です。
ここでは、広告代理店を比較して依頼先を決定するまでの流れを4つのステップで紹介します。
1.候補となる広告代理店を絞り込む
まずは、自社の目的や広告予算、利用したい媒体、業界などをもとに候補となる広告代理店を絞り込みましょう。
公式サイトでは、次のような情報を確認します。
- 対応している広告媒体
- 得意な業界
- 支援実績
- 対応可能な業務
- 最低広告費・最低手数料
- サービスの特徴
ただし、公式サイトの情報だけですべてを判断する必要はありません。
詳細な料金や非公開の支援事例については、問い合わせなければ確認できないケースもあります。一定の条件を満たす会社を複数社選び、実際に相談して比較しましょう。
2.同じ条件で問い合わせ・見積もりを依頼する
複数の広告代理店へ問い合わせる際は、できるだけ同じ条件を提示しましょう。
たとえば、次の情報を共通して伝えます。
- 広告を実施する目的
- 商品・サービス
- ターゲット
- 月間予算
- 希望する広告媒体
- KPI
- 依頼したい業務
- 希望する開始時期
A社には広告運用のみ、B社にはLP制作まで含めて見積もりを依頼すると、金額を公平に比較できません。
依頼内容が複雑な場合や、ある程度規模の大きい案件では、RFP(提案依頼書)を作成する方法もあります。自社の課題や依頼範囲、提案してほしい内容、予算、回答期限などを文書にまとめておけば、各社の提案を比較しやすくなります。
3.提案内容と担当者を比較する
各社から提案を受けたら、料金だけでなく複数の項目を比較しましょう。
たとえば、次のような比較表を作成すると判断しやすくなります。
| 比較項目 | A社 | B社 | C社 |
|---|---|---|---|
| 得意媒体 | Google・Yahoo!の検索広告 | Meta・Instagram広告 | Google・Yahoo!・Meta・YouTube |
| 類似業界の実績 | BtoB SaaSの支援実績が豊富 | EC・美容業界の実績が豊富 | BtoB・人材・不動産など幅広い |
| 提案内容 | 検索広告を中心にCPA改善を提案 | SNS広告と動画クリエイティブを提案 | 広告運用に加えてLP改善も提案 |
| 運用体制 | 専任担当者1名 | 運用担当+クリエイティブ担当 | 3名のチーム体制 |
| 担当者の経験 | 運用経験5年 | 運用経験3年 | 運用経験7年 |
| レポート・定例会 | 月1回・オンライン | 月1回・レポート提出のみ | 月2回・改善提案を含む |
| 運用手数料 | 広告費の20% | 月額10万円 | 広告費の20% |
| 制作費 | バナー制作は別途 | 月2点まで手数料に含む | バナー・LP制作は別途見積もり |
| 契約期間 | 最低3か月 | 最低6か月 | 1か月単位 |
| アカウント引き継ぎ | 可能 | 要相談 | 可能 |
プレゼンテーションのわかりやすさだけではなく、提案の根拠や質問への回答内容も確認しましょう。
可能であれば、実際に広告を運用する担当者にも選定段階から参加してもらうことをおすすめします。
4.契約条件を確認して依頼先を決定する
依頼したい広告代理店が決まったら、契約内容を最終確認します。
見積書だけでなく契約書まで確認し、対応範囲や追加費用、契約期間、解約条件などに認識の違いがないかチェックしましょう。
特に、広告アカウントや運用データ、制作したバナー・LPなどの扱いは、代理店を変更するときに問題になりやすい部分です。
口頭で「引き継げます」と説明を受けただけで済ませず、重要な条件については書面でも確認しておきましょう。
最終的には、料金の安さだけではなく、自社の課題を理解し、成果に向けて継続的に伴走してもらえるかという観点から依頼先を決めることが大切です。
広告代理店選びでよくある失敗

広告代理店を慎重に比較したつもりでも、選び方を間違えると期待した成果につながらない場合があります。
特に多いのが、料金や会社の規模といったわかりやすい条件だけで判断してしまうケースです。
ここでは、広告代理店選びで避けたい4つの失敗を紹介します。
手数料の安さだけで選ぶ
運用手数料は継続的に発生するため、できるだけ安い代理店を選びたいと考えるのは自然です。
しかし、手数料が安くても、分析や改善が十分に行われなければ、広告成果が悪化し、結果的に多くの広告費を無駄にする可能性があります。
特に、手数料10%前後など相場より安い代理店を検討する場合は、料金の安さだけで判断しないよう注意しましょう。前述したように、広告出稿額によっては運用や改善に十分な工数をかけてもらえないケースもあります。
料金を比較する際は、「運用手数料が何%か」ではなく、その金額でどこまで対応してもらえるのかを確認することが重要です。
レポートや定例ミーティング、バナー改善、LP改善などが別料金になっていないかも確認したうえで比較しましょう。
会社の知名度だけで選ぶ
知名度の高い大手広告代理店だからといって、必ずしも自社に最適とは限りません。
大規模な広告案件を得意としている会社もあれば、中小企業や少額予算の広告運用を得意としている会社もあります。
また、会社全体として豊富な実績があっても、自社を担当する運用者が同じ経験を持っているとは限りません。案件の規模や予算によっては、経験の浅い担当者や新人が配置されるケースもあります。
過去の成功事例を担当した運用者が現在も在籍しているか、自社案件を実際に誰が担当するのか、担当者にどの程度の運用経験があるのかまで確認しておくことが重要です。
会社名や知名度だけで判断せず、自社と近い案件の実績、実際の担当者の経験、自社の課題に対する理解度まで確認しましょう。
広告運用を代理店へ任せきりにする
広告運用を外注したからといって、すべてを広告代理店へ任せればよいわけではありません。
代理店は広告運用のプロですが、自社の商品やサービス、顧客について最も理解しているのは広告主側です。
たとえば、営業現場で「この訴求に反応する顧客が多い」という情報を把握しているのであれば、代理店へ共有することで広告改善につなげられる可能性があります。
レポートを受け取るだけではなく、定期的に成果を確認し、顧客情報や事業上の変化を共有しながら共同で改善していきましょう。
契約内容を十分に確認しない
契約内容を十分に確認しないまま契約すると、後から予想外の費用や制約が判明する場合があります。
たとえば、運用手数料とは別にバナー制作費やツール費が必要だったり、最低契約期間が設定されていて途中解約できなかったりするケースが考えられます。
また、広告アカウントが代理店所有となっており、契約終了後に過去のデータを引き継ぎできない可能性もあります。
重要な契約条件は口頭説明だけで判断せず、見積書や契約書で確認することが大切です。
広告代理店の選び方に関するよくある質問

最後に、広告代理店を選ぶ際によくある質問に回答します。
広告代理店は何社くらい比較すべきですか?
広告代理店を選ぶ際は、まず5〜10社程度を候補としてリストアップし、その中から3社程度に絞って提案を依頼する方法がおすすめです。
最初から3社だけを候補にすると、自社に合う代理店を見落とす可能性があります。一方で、5社、10社すべてと商談して提案を受けると、打ち合わせや比較に多くの時間がかかります。
そこで、対応媒体や実績、予算、支援範囲などをWebサイトや資料で確認して5〜10社程度を候補に挙げ、条件に合う3社程度と実際に商談する流れが効率的です。
トゥモローマーケティングが全国のビジネスパーソン180名を対象に実施した「BtoBサービス・製品の購買行動に関する調査」でも、実際に比較検討した候補数は平均2.9社、中央値3社でした。「3社」と回答した人が40.4%で最も多く、「2社」と合わせると67.0%が2〜3社を比較しています。
3社程度であれば、複数の料金や提案内容を比較しながら、それぞれの担当者とも十分にコミュニケーションを取りやすいでしょう。
ただし、重要なのは会社数だけではありません。各社へ目的・予算・広告媒体・現在の課題・依頼したい業務範囲など、できるだけ同じ条件を伝えて提案を受けることで比較しやすくなります。
広告代理店を含むBtoBサービスの比較・検討について詳しく知りたい方は、以下の調査レポートも参考にしてください。
▼あわせて読みたい
<2026年最新>「BtoBサービスの購買行動」調査結果を公開
少額の広告予算でも代理店へ依頼できますか?
少額の広告予算でも対応している代理店はあります。
ただし、広告代理店によっては「広告費20万円以上」など最低広告費を設定していたり、広告費にかかわらず最低手数料を設けていたりする場合があります。
広告費が少ない場合は、広告費の一定割合を支払う料率制より、固定料金制の代理店が利用しやすいケースもあります。
問い合わせ時には、広告予算だけでなく、その予算でどこまで対応してもらえるのかを確認しましょう。
広告代理店へ支払う手数料の相場はいくらですか?
Web広告の運用代行では、広告費に一定の料率を掛けて運用手数料を算出する方式がよく用いられます。
Web広告の運用手数料は、広告費の20%前後が一般的な目安です。たとえば、月100万円の広告費に対して手数料率が20%の場合、運用手数料は20万円です。
ただし、代理店によっては固定料金制を採用している場合もあります。また、初期費用や最低手数料、バナー・LPなどの制作費が別途発生するケースもあります。
契約前には、手数料率だけでなく総額とサービス範囲を確認しましょう。
リスティング広告の具体的な費用相場や予算の決め方については、以下の記事で詳しく解説しています。
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リスティング広告の費用相場をチェック!仕組み・予算の決め方を解説
広告代理店との契約期間に決まりはありますか?
広告代理店との契約期間に一律の決まりはなく、会社やプランによって異なります。
1か月単位で契約できる会社もあれば、3か月や6か月などの最低契約期間を設けている場合もあります。
Web広告は配信後にデータを蓄積し、結果を分析しながら改善していくため、一定期間の運用が必要になるケースもあります。
契約前には、最低契約期間のほか、自動更新の有無、解約申告の期限、途中解約時の違約金なども確認しましょう。
現在の広告代理店から別の会社へ乗り換えられますか?
現在利用している広告代理店から別の会社へ乗り換えることは可能です。
ただし、まず現在の契約期間や解約条件を確認しましょう。
あわせて、次の情報を新しい代理店へ引き継ぎできるか確認することが重要です。
- 広告アカウント
- 過去の広告配信データ
- コンバージョン計測の設定
- タグやタグ管理ツール
- キーワードや広告文
- バナーなどのクリエイティブ
引き継ぎが不十分だと、過去に蓄積したデータを活用できなくなったり、広告配信が一時的に停止したりする可能性があります。
現在の代理店と新しい代理店の双方と相談し、移行スケジュールを調整しましょう。
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広告代理店の変更で失敗しないためには?判断基準・選び方・引き継ぎ方法
Web広告の運用・改善ならトゥモローマーケティングへ

ここまでの広告代理店の選び方や比較ポイントを踏まえると、依頼先を選ぶ際に重要なのは、広告を出稿・運用できるかどうかだけではありません。「誰に・何を届け、広告から問い合わせや商談、売上へどうつなげるか」まで考えて施策を設計できるかが、成果を左右します。
そのため、Web広告の運用を依頼する際は、広告アカウントの管理や入稿作業だけを行う代理店ではなく、自社の事業や顧客、課題を理解したうえで、広告運用からLP・サイトの改善まで一緒に考えられる会社を選ぶのが有効な選択肢です。
トゥモローマーケティングでは、Web広告の運用だけでなく、市場やターゲットを踏まえた施策設計、LPなどの改善、将来的な広告運用のインハウス化まで支援しています。
「広告代理店へ依頼しているものの成果が伸びない」「自社に合う広告運用の方法を相談したい」「広告だけでなくLPを含めて改善したい」といった課題がある方は、お気軽にご相談ください。
広告代理店は比較ポイントを押さえて自社に合う会社を選ぼう

広告代理店を選ぶ際は、料金や会社の知名度だけで判断するのではなく、得意とする広告媒体や業界、担当者の経験、提案内容、運用・改善体制、費用、契約条件などを総合的に比較することが重要です。
選定を始める前に、自社が広告を実施する目的や予算、KPI、代理店へ依頼したい業務範囲を整理しておきましょう。そのうえで複数社へ同じ条件を提示して提案を依頼すれば、料金だけでなく、自社の課題を踏まえた提案になっているか、継続的な改善まで任せられるかを比較しやすくなります。
また、Web広告で成果を高めるには、広告を配信して終わるのではなく、配信結果を分析しながらターゲットや広告文、クリエイティブを改善し、必要に応じてLPやサイトまで見直していくことが大切です。そのため、Web広告の運用・改善を外注する場合は、単なる運用代行だけでなく、事業や顧客を理解したうえで継続的に伴走できる会社を選ぶのも有効な選択肢です。
トゥモローマーケティングでは、Web広告の運用から改善提案まで、クライアントと連携しながら支援しています。「広告代理店を見直したい」「広告の成果が伸び悩んでいる」「自社に合った運用方法を相談したい」といった方は、お気軽にご相談ください。


