リスティング広告のクリック率とは?業界別平均やクリック率上昇のメリットを紹介!
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リスティング広告のクリック率(CTR)とは?
リスティング広告のクリック率(CTR)とは、「Click Through Rate」の略称であり、「クリックスルー率」と呼ばれることもあります。
クリック率は、広告が表示された回数に対して実際にクリックされた割合を示す数値で、ユーザーが広告にどれだけ興味を持ったかを示す指標の1つであり、広告運用に欠かせない要素です。
クリック率の算出方法
リスティング広告のクリック率(CTR)は、広告が表示された回数に対して実際にクリックされた割合を示します。
クリック率の計算方法は、下記のとおりです。
CTR(%) = クリック数 ÷ 表示回数(インプレッション数) × 100
たとえば、広告の表示回数が100回で、そのうち10回クリックされた場合、クリック率は10 ÷ 100 × 100 = 10%と算出できます。
クリック率=クリック数÷広告表示回数×100
クリック率は、ほとんどのツールで自動で計算されるため、自分で計算する機会はあまりないかもしれませんが、指標としてどういった意味を持つのか把握するためにも、どのような数値を元にしているかは把握しておきましょう。
クリック率の業界別平均値は?自分の広告は平均以下かも!?
クリック率の平均値は、キーワードや掲載順位などによって変動するため、はっきりと「〇%以上ならよい」とは言い切れません。
広告最適化ツールを提供しているWordStream社は、業界別の平均クリック率を公開しているため、1つの指標として参考にするのもよいでしょう。
業界 | 平均クリック率 |
アート&エンターテイメント | 11.43% |
トラベル | 9.19% |
スポーツとレクリエーション | 8.82% |
自動車 — 販売用 | 8.67% |
不動産 | 8.55% |
レストラン&フード | 7.60% |
動物とペット | 7.08% |
パーソナルサービス | 6.95% |
アパレル / ファッション & ジュエリー | 6.27% |
医師と外科医 | 6.25% |
教育と指導 | 6.17% |
ヘルス&フィットネス | 6.15% |
家具 | 6.01% |
キャリアと雇用 | 5.93% |
ビューティー&パーソナルケア | 5.92% |
金融と保険 | 5.70% |
自動車 — 修理、サービス、部品 | 5.65% |
工業用および商業用 | 5.61% |
ショッピング、収集品、ギフト | 5.50% |
ビジネスサービス | 5.17% |
歯科医と歯科サービス | 5.03% |
家と家の改善 | 4.62% |
弁護士と法律サービス | 4.24% |
業界平均を超えるクリック率を達成するためには、様々な施策が必要となります。
- ターゲットの改善
- 魅力的な広告文やコピーの作成
- 入札単価の調整
- 競合との差別化
など、さまざまな施策を行いながら、クリック率の向上を目指しましょう。
クリック率の重要性は?広告運用への活かし方
クリック率はユーザーが広告に興味を持ってくれた割合を示すものです。
当然のことながら、広告はクリックされて中身を見てもらわなければ、CVには繋がらないため、重要な指標となります。
クリック率が上がらない原因とは
クリック率が上がらない場合、検索語句とキーワードのミスマッチ、掲載順位が低いなど、さまざまな原因が考えられます。
それぞれ詳しく見ていきましょう。
検索語句とキーワードが合っていない
ユーザーが検索した語句と、運用者側が設定したキーワードが合致していない場合、クリック率が思うように上がらないことがあります。
Google広告内のツールであるキーワードプランナーなどを活用し、まずはターゲットが検索しそうなキーワードを選定しましょう。また、検索クエリを確認し、広告に流入したユーザーが実際に検索しているキーワードを参考にするのも有効です。
また、マッチタイプの設定も検討しましょう。マッチタイプとは、設定したキーワードとユーザーが検索したキーワードが、どのようにマッチしたときに広告を表示するか細かく指定できる機能です。
例えば、「部分一致」に設定されている場合、キーワードの部分的な一致でも広告が表示されるため、広告に興味がないユーザにまで届いている可能性があります。適切なマッチタイプを設定することで、訴求したいユーザーに広告が表示されるよう調整できます。
キーワードの選定とマッチングを改善することで、ユーザーのニーズに応じた広告が表示され、クリック率が向上する可能性が高まります。
掲載順位が低い
広告の掲載順位が低い場合、広告が表示されても、広告一覧の下の方に配置されてしまうため、ユーザーの目に触れる機会が少なくなり、クリック率の低下を招きます。
Googleの広告オークションでは、入札額やクリック率、広告の品質スコアなどを考慮して広告の掲載順位を決定します。
掲載順位は、広告の品質や入札単価などで決定されます。まずは、広告のクオリティを向上させることを重視しましょう。
具体的には、タイトルや広告文に検索キーワードを含め、魅力的な広告を作成する、ターゲットのニーズに合ったキーワードを選定する、ランディングページの品質を上げるなどの対策が有効です。
また、入札単価が低いために、掲載順位が上がっていない可能性があります。価格設定が最適になっているか確認してみましょう。ただし、単純に入札額を上げるだけではコストがかかり、CPA(コンバージョン単価)が悪化する可能性があります。
広告文がターゲットに合ってない
広告文はユーザーに訴求する重要な要素です。
ターゲットの興味を引くような文章でない場合は広告が無視され、クリック率の低下を招きます。
ターゲットのニーズや興味に合わせて、広告文を調整しましょう。
ユーザーの検索意図に対して、広告文が適切に表示されるかも重要です。ユーザーが求めている情報や商品を的確に伝えることで、より質の高いクリックが期待できます。
広告文の見直しをおこなう際には、A/Bテストなどを活用して複数のバリエーションを試し、効果的な広告文を見つけましょう。ターゲットに合った魅力的な広告文を作成することで、CTR向上につながり、広告の効果を高めることができます。
広告の魅力がない
広告文で「キーワードを含める」など基本的なことは意識出来ていても、魅力的な訴求がなければクリックには至らないこともあります。
ターゲット層に刺さりそうな商品の魅力を盛り込んだり、割引や特典などがあれば広告文、もしくは広告表示オプションを使ってアピールしましょう。
広告文を作成する際のポイントや、広告表示オプションについては後述します。
クリック率を上げるポイント7選
リスティング広告のクリック率を向上させるためには、キーワードやターゲット、広告文など、さまざまな項目を見直す必要があります。
以下7つのポイントにまとめたので、1つずつチェックしてみましょう。
キーワードの見直し
ユーザーが検索するキーワードは日々変化しており、その時々のトレンドやニーズに合わせて最適化する必要があります。
まず、ターゲットとなるユーザーが実際に検索しているキーワードと相違ないか、そして商品・サービスの訴求ポイントとマッチしているか確認してみてください。
キーワードプランナーなどのツールを活用して関連するキーワードを抽出したり、競合他社のキーワードをリサーチしたりするのも有効です。
また、検索クエリをチェックしたり、レポートでキーワードごとの成果を確認したり、検索意図が違うキーワードが見つかった場合外すべきものがみつかった場合は除外しましょう。
キーワードについては常に最新情報を把握し、効果的なキーワード選定に努めてください。
ターゲットの見直し
リスティング広告では、配信したいターゲットを年齢や性別・地域などである程度指定できます。
商品・サービスに関心の高いターゲットに配信設定をおこなうことで、クリック率は改善するでしょう。
たとえば、20代~30代の女性向けファッションの広告で、40代~50代の女性にも配信されている場合は除外することを検討してください。
また、来店型のサービスである場合は、店舗周辺の地域のユーザーに対して配信されるようにするなど、設定を最適化しましょう。
競合他社のターゲティング戦略を参考にするのも有効です。
広告文の調整
広告文は適当に作成したものではなく、商品・サービスの訴求ポイントをしっかりとおさえているか確認のうえ、必要であれば調整しましょう。
広告文をチェックするポイントは、以下のとおりです。
- キーワードが含まれているか
- 割引額や実績などの数字は入っているか、漢字やひらがなの羅列になっていないか
- 特典や期間限定など魅力的な文言を使っているか
- スマホ画面で見える広告を意識しているか
基本的なことではありますが、広告文のなかには必ずキーワードを含めてください。
検索キーワードが含まれている箇所は、太字強調されるため、クリックされやすくなります。
また、漢字を羅列したり、ひらがなだらけだったりすると、読みづらさを感じます。漢字・ひらがな・数字が適度に入ってるとよいでしょう。
文字数に関しては商品・サービスにもよりますが、基本的にはスマホでも見やすいよう短めにまとめることを推奨します。
広告表示オプションを利用する
広告表示オプションは、広告文以外のさまざまな付加情報を設定できる機能です。
設定しておきたいものは、以下8つです。
- サイトリンク:広告の下にリンクテキストを表示し、任意のページに飛ばせる
- コールアウト:複数のキャッチフレーズを追加する
- 構造化スニペット:指定されたヘッダーに合わせて任意のキャッチフレーズを追加する
- 電話:店舗の電話番号・通話ボタンを表示する
- 住所:店舗の住所を表示する
- 価格:商品・サービスごとの価格を表示する
- プロモーション:商品・サービスの値引き情報を表示する
- リードフォーム:「お問い合わせ」や「資料のダウンロード」などのフォームを表示する
上記の広告表示オプションを設定することで、タイトルや説明文に加えてさまざまな情報がアピールできるため、クリックされやすくなります。
また、広告表示オプションを利用することで、画面占有率がアップし、広告を目立たせる効果も期待できます。
入札単価を調整する
入札単価を適切に設定することで、より効果的な広告表示が可能となります。
入札単価は、広告主がキーワードに入札することで決まります。
注意点としては、入札単価を上げると広告が上位に表示される可能性が高まりますが、同時にクリック単価も高騰する可能性があります。
適切な入札単価を設定するためには、実際に配信したデータを参考に、成果の高いキーワードを狙って補強するのが重要です。
また、競合他社の入札状況を調査するのもよいでしょう。
競合調査を行う
競合調査では、自社の広告が他社と比べてどのような位置にあるか、どのような点で差別化できるかを把握し、戦略の立案に役立てられます。
競合分析を行う際は、まず自分たちが出稿してるキーワードで検索する、またはユーザ検索キーワードで検索するなどの調査を行うことで、競合の広告を知ることが出来ます。
特に、同じキーワードを使用している場合には、上位に表示されている競合他社を確認し、理由を探ることが重要です。
また、競合調査は定期的におこなうことが望ましいでしょう。市場環境や競合他社の広告運用状況は常に変化しているため、最新の情報を把握する必要があります。
競合調査の結果をもとに、自社の広告運用戦略を見直し、差別化を図るための施策を立案しましょう。競合に対して優位性を持ち、ターゲット層のニーズを理解した広告展開を行い、より多くのユーザーにリーチすることが目指すべき成果です。
外部の専門家(広告代理店)に相談する
自社の広告運用に限界を感じた場合は、外部の専門家である広告代理店に相談することも検討しましょう。
広告代理店はリスティング広告における豊富な経験と専門知識を持ち、効果的な戦略の立案や運用支援を行ってくれます。
広告代理店では、広告予算の最適化やターゲット設定の改善、クリック率向上のための施策提案などを提案してくれます。自社だけでは気づかなかった改善点や新しいアプローチを提供してくれるため、効率的にクリック率向上を目指せるでしょう。
また、広告代理店はリアルタイムなデータ解析やトレンドの把握にも長けており、常に最新の広告運用手法を知っています。ただし、広告代理店を選ぶ際には信頼性や実績、料金体系などを十分に考慮することが重要です。
また、代理店によって得意とする商材なども異なります。自社に適した広告代理店を選んでみましょう。
クリック率をあげることで得られるメリット
クリック率の向上は、単に広告への流入が増えるだけではありません。クリック率アップによって受けられるメリットを、以下3つ紹介します。
クリック単価が下がる
Googleのリスティング広告には、品質スコアという評価基準があります。
品質スコアを上げることで、入札単価が低い状態でも広告を上位に表示させやすくなります。
品質スコアを決めるのは、広告の関連性・推定クリック率・ランディングページの利便性の3要素です。そのため、クリック率を向上することで、クリック単価が下がる効果が期待できます。
クリック単価が下がることで、同じ予算であってもより多くユーザーに広告をリーチさせることが可能です。
商品ページへの流入数が増える
クリック率が向上すると商品ページへ見込み客の流入数も増加します。
商品ページへの流入が増加することは、当然コンバージョン率の向上にも期待できます。クリック率が上昇した広告は、予算を増やしていくことで、流入数も比例して増加していくことに期待できます。
また、その場でコンバージョンに繋がらなかったとしても、商品を知って貰ったり、ページを訪れたユーザーに対して再度広告を配信するリターゲティング広告に活用することも出来ます。
データを収集できる。
広告がクリックされることで、多くのユーザーに関するデータ収集が可能です。
あらかじめLPに解析ツールをいれておくことで、広告から流入したユーザーの年齢や性別、地域、サイト内の離脱位置なども分析できます。
データを参考にすることで、ユーザー層にあわせて広告文を作成したり、広告表示オプションを設定したり、データに基づいたLPの修正などが可能となり、広告全体の品質を改善することが出来ます。
まとめ
クリック率は、広告において重要な指標です。せっかく広告を配信しても、クリック率が低いとなかなか商品の販売には繋がりません。
また、クリック率が低いということは、ターゲット設定やキーワードなどが最適化されていない可能性もあります。
また、クリック率が高くても、コンバージョン率が低ければ、いたずらに広告費ばかりがかかってしまいます。クリック率を上げることは、最終的にはコンバージョンに結びつけるための施策であることを忘れないようにしましょう。
本記事を参考に、最適な広告配信を行っていただければと思います。