「広告代理店に運用を任せているものの、なかなか成果が改善しない」「改善提案が少なく、このまま依頼を続けるべきかわからない」と悩んでいる方もいるのではないでしょうか。
広告代理店を変更すれば、新しい視点からの改善提案を受けられたり、自社に合った運用体制へ見直せたりする可能性があります。一方で、成果が出ない原因が広告代理店以外にある場合は、乗り換えても同じ問題が繰り返されるかもしれません。
本記事では、広告代理店の変更を検討すべきサインや、すぐに変更しないほうがよいケース、乗り換えの手順、引き継ぐべき情報について解説します。
現在の広告代理店に不満を感じているものの、変更すべきか判断できない方は参考にしてください。
Contents
データで見る広告代理店変更の実態

広告代理店の変更は、決して珍しいことではありません。
SO Technologies株式会社が2023年に、インターネット広告の委託先を乗り換えた経験がある広告主439人を対象に実施した調査では、以前の代理店との取引期間について、82.9%が3年以内に乗り換えており、40.5%は1年以内に取引を終了していました。
ただし、この82.9%は「広告代理店を変更した経験がある439人」のうち、3年以内に変更した人の割合です。すべての広告主の82.9%が3年以内に代理店を変更しているわけではない点には注意しましょう。
同調査によると、代理店を乗り換えたきっかけは次のとおりでした。
| 乗り換えのきっかけ | 割合 |
|---|---|
| 別代理店からの営業を受けた | 30.8% |
| 定期的に見直している | 23.2% |
| 代理店に不満があった | 17.3% |
「不満があった」ことだけが代理店変更の理由ではなく、定期的な見直しや他社からの提案をきっかけに乗り換えるケースもあります。
また、乗り換え経験者の87.0%が「乗り換えをしてよかった」と回答しています。変更後は「改善施策の提案がある」という満足項目が5.9ポイント、「広告結果が出ている」が3.6ポイント上昇しました。
一方、これは代理店を変更した経験がある人を対象とした調査結果であり、代理店を変更すれば必ず成果が改善することを示すものではありません。
重要なのは、「今の代理店が気に入らないから」という理由だけで変更するのではなく、現在の課題を整理したうえで、変更によって解決できる問題なのかを見極めることです。
出典:PR TIMES「【調査】82.9%が3年以内に広告代理店を乗り換え。1年以内の取引終了は40.5%」
広告代理店の変更を検討すべきサイン

広告代理店を変更するかどうかは、単月の広告成果だけで判断するべきではありません。
成果が伸び悩んでいることに加えて、原因分析や改善提案が行われているか、自社の事業を理解した運用が行われているかなど、複数の観点から現在の代理店を評価する必要があります。
ここでは、変更を検討する一つのサインとなる6つの状況を紹介します。
広告成果が改善しない状態が続いている
CPAやコンバージョン数、ROASなどが一定期間改善していない場合は、現在の広告運用を見直す必要があります。
ただし、成果が停滞しているという事実だけで、すぐに代理店を変更するのは適切ではありません。広告の予算やコンバージョン数、商材の検討期間などによって必要な検証期間は異なりますが、十分な配信データが蓄積されているにもかかわらず、2〜3か月程度にわたって成果が改善せず、次の改善策も示されていない場合は、代理店変更を検討する一つの目安になります。
まず確認したいのは、成果を改善するためにどのような施策が実施され、その結果をどのように検証しているかです。
たとえば、CPAが高い場合には、
- キーワードや検索語句を見直す
- 入札方法を調整する
- ターゲティングを変更する
- 広告文やバナーを改善する
- LPを改善する
などの施策が考えられます。
さらにGoogle広告では、管理画面の「変更履歴」から、過去2年間についていつ・誰が・どのような設定を変更したのかを確認できます。予算や入札、キーワード、広告、ターゲティングなどの変更を時系列で確認できるため、代理店から説明された改善施策が実際に行われているかを広告主側でも検証できます。
なお、変更履歴を確認するには、そのGoogle広告アカウントへのアクセス権が必要です。代理店側で管理しており、自社からアカウントを閲覧できない場合は、閲覧できるよう権限付与について相談しましょう。
合理的な理由がないにもかかわらず、広告アカウントの閲覧権限や実際の運用内容を共有してもらえない場合は、運用の透明性という観点から代理店を見直す判断材料になります。
一方、変更履歴の件数だけで運用の良し悪しを判断するのも適切ではありません。改善活動を積極的に行っていれば、変更回数が多くなることは十分にあります。
重要なのは、「なぜその変更を行ったのか」「変更後に数値がどう変化したのか」「その結果を受けて次に何をするのか」を担当者が説明できるかです。
複数の改善施策を実施・検証しているものの成果につながらず、さらに次の仮説や改善案も出てこない状態が続いている場合は、現在の代理店で改善を続けるべきか、新しい代理店へ変更すべきかを検討しましょう。
複数の改善施策を実施・検証しているものの成果につながらず、さらに次の仮説や改善案も出てこない状態が続いている場合は、現在の代理店で改善を続けるべきか、新しい代理店へ変更すべきかを検討しましょう。
ただし、代理店を変更する前に、まずは担当者へ「現在どこに課題があると考えているのか」「これまでの施策で何がわかったのか」「次に何を改善するのか」を具体的に確認してみてください。
単に「広告文を変更します」「入札を調整します」と施策だけを提示するのではなく、現状の数値をもとに課題を特定し、施策を行う理由と検証結果、次の改善方針まで説明できるかが重要です。
こうした質問に対して明確な回答が得られない、同じ施策を繰り返すだけで新しい改善案が出てこないといった状態が続くのであれば、運用体制そのものを見直すタイミングと考えられます。
トゥモローマーケティングでは、広告管理画面上のCPAやコンバージョン数だけでなく、商談や受注につながっているかまで確認しながら課題を分析し、改善施策をご提案しています。
「施策は実施しているのに成果が伸びない」「現在の代理店から具体的な改善提案が出てこない」とお悩みの場合は、現在の運用状況についてお気軽にご相談ください。
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具体的な分析や改善提案がない
広告代理店から毎月レポートが届いていても、数値を並べているだけでは十分とはいえません。
Web広告では、配信結果をもとに、「なぜCPAが上昇したのか」「なぜCVRが低下したのか」「次に何を変更するのか」といった仮説を立て、改善施策を実施して検証する必要があります。
たとえば、「CPAが前月より10%悪化しました。もう少し様子を見ましょう」という報告だけでは、原因も次のアクションもわかりません。
一方、「検索語句を分析すると成約につながりにくい検索からの流入が増えているため、除外キーワードを追加し、ターゲットを絞ります」といった説明があれば、現状分析と改善方針を確認できます。
改善提案を求めても具体的な回答がなく、毎月「様子を見ましょう」という状態が続いている場合は、現在の運用体制を見直しましょう。
広告運用の内容が見えない
「何に広告費を使っているのかわからない」「先月どのような変更をしたのかわからない」といった状況も、代理店変更を検討するサインの一つです。
広告運用を代理店へ外注していても、広告主側が運用内容を把握できる状態にしておくことが重要です。
たとえば、次の情報を確認できるかチェックしましょう。
- 実際に配信されている広告
- 媒体別・キャンペーン別の広告費
- 検索キーワードやターゲット
- 実施した設定変更
- コンバージョン数やCPA
- 改善施策とその結果
代理店から提出されるレポートだけではなく、管理画面を確認することで、説明された改善施策が実際に行われているか、不都合な数値が省かれていないかまで自社で確認できます。
一方で、「運用ノウハウを守るため」などの理由から、広告主に管理画面を開示しない代理店もあります。もちろん契約形態や運用方法によって事情は異なりますが、合理的な理由なくアカウントの閲覧を断られたり、実際の運用履歴を確認できなかったりする場合は、運用の透明性に問題がないか慎重に確認したほうがよいでしょう。
特に、広告費の使途や変更履歴、不調なキャンペーンの数値などを広告主が確認できない状態では、代理店からの説明が正しいかを自社で検証できません。
代理店へ任せきりにするのではなく、自社でも広告アカウントを閲覧でき、必要に応じて運用内容を確認できる環境を整えておくことで、代理店の評価や将来的な切り替えもしやすくなります。
担当者の対応やコミュニケーションに問題がある
広告運用では、代理店との継続的なコミュニケーションが欠かせません。
たとえば、次のような状況が続いている場合は注意が必要です。
- 問い合わせへの回答が遅い
- 質問に対する説明がわかりにくい
- 依頼した変更がなかなか反映されない
- 定例ミーティングが形骸化している
- 担当者が頻繁に変更される
- 担当者変更時の引き継ぎが不十分である
広告では、市場の変化やキャンペーン、商品の販売状況などに応じて素早い対応が求められるケースもあります。
担当者とのやり取りそのものが改善のスピードを妨げている場合は、まず担当者変更を相談し、それでも改善しなければ代理店変更を検討しましょう。
自社の事業や顧客を十分に理解していない
広告代理店は広告運用の専門家ですが、自社の商品やサービス、顧客については広告主側から共有しなければ理解できません。
問題になるのは、必要な情報を共有しているにもかかわらず、事業への理解が深まらないケースです。
たとえば、BtoBサービスであれば、問い合わせを1件獲得するだけでなく、
- 問い合わせ
- 商談
- 受注
までを考えて広告を評価する必要があります。
問い合わせ数が増えていても、ターゲット外からの問い合わせばかりで商談につながっていないのであれば、事業成果につながる広告運用とはいえません。
自社のターゲットや商品特性を理解せず、他社でも使っている一般的な施策ばかり提案される場合は注意しましょう。
費用と支援内容が見合っていない
広告代理店へ支払う費用と、提供されている支援内容が見合っているかも確認しましょう。
広告運用手数料を支払っていても、
- 分析や改善がほとんどない
- レポートの説明がない
- クリエイティブの改善提案がない
- LP改善まで対応してもらえない
など、自社が必要としている支援を受けられていない場合があります。
SO Technologiesの調査では、乗り換え先を選ぶ際に重視したポイントとして「費用が安くなる」が44.9%、「費用対効果が高い」が36.0%でした。
ただし、料金が安い代理店へ変更すればよいわけではありません。
代理店費用を比較するときは、自社で広告運用担当者を採用・育成した場合にかかる人件費や採用コストも含めて考えることが重要です。広告運用には、日々の入札調整だけでなく、検索語句の分析、広告文やクリエイティブの改善、レポート作成、社内への報告など継続的な業務が発生します。
たとえば、月50万円を広告へ出稿し、運用手数料が20%なら代理店へ支払う手数料は月10万円です。これを10%に抑えると月5万円になりますが、限られた手数料の中でどこまで分析・改善の工数を確保してもらえるのかは確認する必要があります。
特に広告出稿額が月50万円以下など比較的小さい案件で、さらに手数料も低い場合は、経験豊富な担当者ではなく若手担当者が中心となったり、定例会やレポート、改善提案の範囲が限定されたりするケースもあります。
月額料金だけでなく、「その料金でどこまで対応してもらえるのか」「成果につながる改善が行われているのか」を踏まえて費用対効果を判断しましょう。
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広告代理店をすぐに変更しないほうがよいケース

現在の代理店に不満があっても、すぐに変更することが最善とは限りません。
広告成果が出ていない原因が代理店以外にある場合や、評価するには運用期間が短すぎる場合は、代理店を変更しても状況が改善しない可能性があります。
以下のようなケースでは、まず現在の状況を整理しましょう。
広告運用を開始して間もない
広告運用を開始して数日~数週間しか経過していない場合は、代理店を評価するには早い可能性があります。
広告では一定量の配信データを蓄積し、その結果をもとに仮説を立て、設定変更やクリエイティブ改善などを行いながら成果を検証していく必要があります。
また、自動入札を利用している広告では、新しい入札戦略を開始した場合や設定を変更した場合などに「学習中」となり、最適化に時間がかかることがあります。Google広告では、状況によって自動入札の調整に最大3週間、または1~2コンバージョンサイクル程度かかる場合があると案内しています。
ただし、これは一度の設定変更や学習にかかる期間の目安です。実際の広告運用では、「課題を分析する→改善施策を実施する→結果を検証する」というサイクルを複数回繰り返すため、代理店の運用成果を判断するには2〜3か月程度を見ることが一つの目安になります。
そのため、「最初の1週間でCPAが目標を上回った」「1回施策を変更しても成果が改善しなかった」といった短期間の結果だけで、代理店の運用能力を判断するのは避けましょう。
一方で、2〜3か月経過しても改善施策がほとんど行われていない、施策の検証結果や次の改善案が示されないといった場合は、運用体制を見直す判断材料になります。
契約時に設定したKPIや評価期間も確認し、一定期間でどのような改善と検証が行われたかを踏まえて判断しましょう。
成果が出ない原因を特定できていない
広告成果は代理店の運用だけで決まるわけではありません。
たとえば、次のような要因も影響します。
- 商品やサービスそのもの
- 商品価格
- LPの内容
- 問い合わせフォーム
- コンバージョン計測
- 営業対応
- 市場環境
- 競合の動向
広告代理店を変更する前に、どの段階に問題があるかを整理しましょう。
たとえば、下記の流れに分解します。
- 表示回数
- クリック
- 問い合わせ
- 商談
- 受注
表示されているのにクリックされないのであれば広告文やターゲティング、クリックされているのに問い合わせにつながらないのであればLPやフォーム、問い合わせは多いのに商談にならないのであればターゲットや営業対応などが原因として考えられます。
原因を特定しないまま代理店だけを変更すると、新代理店でも同じ問題が発生する可能性があります。
繁忙期やキャンペーンの直前である
大規模なキャンペーンや繁忙期の直前も、代理店変更には慎重になる必要があります。
代理店を変更する際には、アカウント権限の変更や広告設定の確認、計測環境の確認、事業・顧客情報の共有などが必要です。
準備期間が足りなければ、広告配信や計測に不具合が発生する可能性があります。特に売上への影響が大きい繁忙期で広告配信が止まると、機会損失につながりかねません。
代理店変更は、事業への影響が比較的小さい時期から逆算してスケジュールを組みましょう。
現在の代理店に改善の余地がある
現在感じている不満を、代理店へ具体的に伝えていない場合は、まず改善を依頼してみましょう。
たとえば、「レポートにCPAだけでなく商談数も掲載してほしい」、「月1回ではなく2週間に1回状況を共有してほしい」、「現在の担当者とのコミュニケーションが難しいため変更してほしい」など、問題を具体化します。
担当者の変更や定例ミーティングの見直し、レポート項目の追加だけで解決できる場合もあります。
改善要望を伝えたうえで、代理店がどのように対応するかを確認してから乗り換えを判断しましょう。
広告代理店を変更する前に確認すること

広告代理店を変更すると決めたら、すぐに現在の代理店へ解約を伝えるのではなく、契約やアカウントの状況を確認しておきましょう。
事前準備をせずに解約すると、必要なデータを取得できなかったり、広告配信が一時的に停止したりする可能性があります。
変更前に確認したい項目は次の5つです。
代理店を変更する目的
最初に、なぜ代理店を変更するのかを明確にします。
たとえば、
- CPAを改善したい
- コンバージョン数を増やしたい
- 商談につながるリードを増やしたい
- 改善提案を増やしたい
- 対応速度を改善したい
- LPやクリエイティブまで支援してほしい
などが考えられます。
「現在の代理店が不満だから」という理由だけでは、新代理店を比較する基準を作れません。
変更後に達成したい目標と、新代理店に求める役割を整理しましょう。
現在の代理店との契約内容
現在の代理店との契約書を確認し、次の項目を整理します。
- 最低契約期間
- 契約終了日
- 自動更新の有無
- 解約予告期限
- 中途解約の違約金
- 解約を通知する方法
- 制作物やアカウントに関する規定
たとえば、「解約希望日の2か月前までに書面で通知」と定められている場合、すぐに乗り換えられるとは限りません。
営業担当者から受けた口頭説明だけではなく、契約書の記載内容を確認しましょう。
広告アカウントの所有者と管理権限
広告アカウントが誰の管理下にあるかも重要です。
Google広告やMeta広告などで、自社が管理者権限を持っているのか、代理店側が作成・管理しているのかを確認しましょう。
既存の自社アカウントへ代理店の管理権限を付与している形であれば、新代理店へ権限を変更することで、過去の運用データを残したまま切り替えやすくなります。
Google広告でも、クライアントアカウント側に適切な管理権限があれば、マネージャーアカウントとのリンクを解除できます。
一方、代理店側が管理するアカウントで運用している場合は、そのアカウントをそのまま引き継げるとは限りません。
変更を決める前に、アカウントの移管可否を確認しましょう。
引き継げるデータや制作物
広告アカウント以外にも、引き継ぎが必要な情報は数多くあります。
たとえば、次のようなものです。
- キャンペーン設定
- 広告グループ
- キーワード
- 除外キーワード
- 広告文
- ターゲット設定
- 過去のレポート
- バナー
- 動画
- LP
- 計測タグ
「成果が出なかった代理店のデータなら引き継ぐ必要はない」と考えるかもしれませんが、過去の運用データは、新しい代理店が同じ施策を繰り返さないための重要な検証材料になります。
たとえば、「特定のキーワードではCPAが高かった」「この広告文ではCTRは高かったもののCVにつながらなかった」といった実績が残っていれば、新しい代理店は過去の結果を踏まえて仮説を立て、改善施策を検討できます。
そのため、旧代理店の設定や施策をそのまま踏襲するためではなく、何を実施し、どのような結果になったのかを把握したうえで、ゼロベースで運用を見直すためにデータを保持しておくことが大切です。
また、バナーやLPなどは、納品済みの制作物を利用できても、IllustratorやPhotoshopなどの編集可能な元データまでは受け取れない契約になっている場合があります。
著作権や二次利用の条件も含め、契約終了後に何を利用できるのかを確認し、新しい代理店が過去の運用結果や制作物を検証できる状態で引き継ぎましょう。
広告配信を停止できる期間
代理店変更の際に広告配信が停止すると、問い合わせや売上に影響する可能性があります。
そのため、下記のようなスケジュールを事前に決めておきましょう。
現在の代理店の運用終了日↓引き継ぎ・設定確認↓新代理店の運用開始日
可能であれば、旧代理店と新代理店の稼働期間を一部重ね、切り替え前に必要な設定や権限を確認しておくと安心です。
特に、広告配信そのものだけでなく、コンバージョン計測が正常に動いているかまで確認しましょう。
広告代理店を変更するメリット

広告代理店を変更すると、これまでとは異なる視点で広告運用を見直すきっかけになります。
適切な代理店へ変更できれば、運用方法だけでなく、費用や社内との連携体制まで改善できる可能性があります。
新しい視点から改善提案を受けられる
同じ代理店へ長期間依頼していると、既存の運用方法が前提となり、新しい改善案が出にくくなる場合があります。
新代理店が広告アカウントを分析すれば、これまで見落としていた課題を発見できるかもしれません。
SO Technologiesの調査でも、代理店変更後は「改善施策の提案がある」という満足項目が変更前より5.9ポイント上昇しています。
代理店変更は広告設定だけでなく、
- 広告媒体
- ターゲット
- クリエイティブ
- LP
- コンバージョンポイント
- 予算配分
などをゼロベースで見直す機会にもなります。
広告成果の改善を期待できる
代理店を変更することで、広告成果が改善する可能性もあります。
SO Technologiesの調査では、「広告結果が出ている」という満足項目が変更後に3.6ポイント上昇しました。一方、「広告結果が出ていない」という不満項目は11.8ポイント低下しています。
ただし、あくまで代理店変更経験者を対象とした調査結果です。
すべての企業で代理店変更後に広告成果が改善するとは限りません。
現在の問題を特定したうえで、その問題を解決できる知識や運用体制を持った代理店を選ぶことが重要です。
自社に合った運用体制へ変更できる
代理店変更を機に、運用体制そのものを見直せます。
たとえば、
- 専任担当者に任せたい
- 複数人のチームで支援してほしい
- 定例ミーティングの頻度を増やしたい
- チャットで素早く相談したい
- 営業データまで共有して改善したい
など、自社が求める体制に合わせて代理店を選び直すことが可能です。
特に、これまでの代理店でコミュニケーションに課題があった場合は、契約前に実際の運用担当者と話し、対応方法や定例会の進め方まで確認しましょう。
費用や業務範囲を見直せる
代理店変更は、広告にかけている費用の配分を見直す機会にもなります。
たとえば、現在の代理店へ広告運用だけを依頼しているものの、LPのCVRが低いのであれば、運用手数料の一部をLP改善へ振り分けたほうが成果につながる場合があります。
反対に、自社でクリエイティブ制作ができるのであれば、制作業務を内製化して広告運用へ予算を集中する方法もあります。
単純に代理店の手数料を下げることを目的とするのではなく、成果につながる業務へ予算を配分できるように見直しましょう。
広告代理店を変更するデメリット・リスク

広告代理店の変更にはメリットだけでなく、選定や引き継ぎにかかる手間、追加費用などのデメリットもあります。
変更後に「前の代理店のほうがよかった」とならないためにも、事前にリスクを把握しておきましょう。
新代理店の選定や引き継ぎに手間がかかる
代理店変更には一定の社内工数が必要です。
まず、新代理店を探し、複数社と商談し、提案を比較する必要があります。
依頼先が決まった後も、下記のような対応が発生します。
- 契約手続き
- アカウントの権限変更
- 運用データの共有
- 商品・サービスの説明
- ターゲットや競合の共有
- 過去施策の説明
社内担当者の通常業務と並行して進めることになるため、あらかじめ担当者とスケジュールを決めておきましょう。
初期費用や制作費が発生する場合がある
新代理店へ変更すると、運用手数料とは別に初期費用が発生する場合があります。
たとえば、
- バナー制作
- 動画制作
- LP制作・改善
などです。
また、現在の代理店との契約期間が残っている場合は、中途解約の違約金が必要になる可能性もあります。
新代理店へ支払う費用だけを見るのではなく、乗り換えにかかる総額を確認しましょう。
広告成果が一時的に不安定になる可能性がある
代理店変更時にアカウントを新しく作成したり、広告設定を大幅に変更したりすると、広告成果が一時的に変動する可能性があります。
特に自動入札では、キャンペーンや広告グループ、キーワードなどの構成変更によって学習状態に入る場合があります。
また、新代理店が自社の事業や顧客を理解するまでにも一定の時間が必要です。
変更後すぐの数値だけを見て「新代理店も成果が出ない」と判断するのではなく、事前に決めた改善計画や評価期間に沿って確認しましょう。
過去のデータを引き継げない場合がある
代理店の契約や広告アカウントの管理方法によっては、過去の運用データをそのまま引き継ぎできない場合があります。
新規アカウントを作成することになれば、
- 過去の配信実績
- 自動入札に利用されてきたデータ
- オーディエンス設定
- 広告テストの履歴
などを同じ状態で利用できない可能性があります。
変更前にアカウントの所有・管理状況を確認し、移管できない場合は、レポートやキャンペーン設定など必要な情報を可能な限り保存しておきましょう。
広告代理店を変更する手順

広告代理店の変更は、現在の代理店へ解約を通知してから新しい会社を探すのではなく、先に課題や契約条件を整理したうえで計画的に進めることが重要です。
基本的な流れは次の7ステップです。
- 現在の課題と変更目的を整理する
- 契約とアカウントの状況を確認する
- 変更先の候補を探す
- 新代理店と切り替え計画を立てる
- 現在の代理店へ解約を通知する
- アカウントとデータを引き継ぐ
- 配信と計測に問題がないか確認する
現在の課題と変更目的を整理する
まず、現在の広告運用にどのような問題があるのかを整理します。
CPAやコンバージョン数、商談数、ROASなど、できるだけ数値を使って課題を把握しましょう。
あわせて、「担当者から提案がない」、「レポートの内容がわかりにくい」、「LP改善まで対応してほしい」といった現在の代理店に対する不満も整理します。
そのうえで、新代理店に何を期待するのかを明確にしましょう。
契約とアカウントの状況を確認する
次に、現在の代理店との契約を確認します。
契約期間、解約予告期限、違約金などを確認し、いつ変更できるのかを把握します。
同時に広告アカウントについて、下記の項目を確認しましょう。
- 誰が所有・管理しているか
- 自社に管理者権限があるか
- 新代理店へ引き継げるか
さらに、制作物や計測タグなども含め、変更時に必要になる情報を一覧化しておくと引き継ぎがスムーズです。
変更先の候補を探す
現在の課題が明確になったら、その課題を解決できる広告代理店を探します。
新しい代理店を選ぶ際に最も重要なのは、知名度や運用手数料の安さではなく、「現在の代理店で解決できなかった課題に対応できるか」です。
たとえば、改善提案の少なさが変更理由であれば、新しい代理店には、どの程度の頻度で広告を分析・改善し、どのような形で提案してもらえるのかを確認しましょう。
主な比較ポイントは次のとおりです。
- 対応している広告媒体
- 自社と近い業界・商材の支援実績
- 対応できる広告予算の規模
- 広告運用以外も含めた支援範囲
- 実際の広告運用担当者の経験
- 提案内容とその根拠
- 運用・改善体制
- レポートや定例会の内容
- 費用
- アカウントやデータの開示方針
- 契約期間・解約条件
特に、営業担当者だけでなく、契約後に実際に広告を運用する担当者の経験や対応方針まで確認しておくことが重要です。
複数の代理店を比較する場合は、各社へ同じ目的・予算・現在の課題・依頼したい業務範囲を伝えましょう。条件をそろえることで、提案内容や費用、改善方針を比較しやすくなります。
また、「何を改善するのか」だけでなく、なぜその施策が必要なのかを根拠とともに説明できるか、自社の事業や広告の目的まで理解したうえで提案しているかも確認してください。
現在の課題を解決できる知識や体制があり、継続的に改善へ伴走してもらえる代理店を選びましょう。
広告代理店を比較する詳しい基準については、以下の記事も参考にしてください。
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広告代理店の選び方とは?失敗しないための比較ポイントと選定手順を解説
新代理店と切り替え計画を立てる
新代理店を決めたら、現在の代理店との契約を終了する前に切り替え計画を立てます。
まず、新代理店へ現在の広告アカウントやレポートを共有し、何を引き継ぐ必要があるか確認してもらいましょう。
そのうえで、
- 旧代理店の最終運用日
- 権限・データの引き継ぎ
- 新代理店による設定確認
- 代理店の運用開始
という流れを具体的な日程に落とし込みます。
広告配信を止めたくない場合は、旧代理店の終了日と新代理店の開始日に空白が生じないよう調整しましょう。
現在の代理店へ解約を通知する
切り替え計画が決まったら、契約書に定められた方法・期限に従って現在の代理店へ解約を通知します。
その際、解約の意思だけでなく、引き継ぎについても依頼しましょう。
たとえば、
- 広告アカウントの権限
- 過去のレポート
- キャンペーン設定
- 広告素材
- 計測タグ
- 制作物
などです。
「誰が」「何を」「いつまでに」引き継ぐのかを書面で整理しておけば、認識のズレを防ぎやすくなります。
アカウントとデータを引き継ぐ
新代理店へ必要な権限とデータを共有します。
既存の広告アカウントを継続利用する場合は、新代理店へ必要な権限を付与しましょう。
Google広告では、クライアントアカウントへ新しいマネージャーアカウントを連携し、不要になった旧マネージャーとのリンクを解除することも可能です。実際に変更する際は、現在の権限設定を確認したうえで対応してください。
旧代理店の権限を削除する前に、必要なデータや制作物をすべて受け取ったか確認することが重要です。
配信と計測に問題がないか確認する
代理店を切り替えた後は、「広告が表示されている」だけで完了と考えないようにしましょう。
次の項目を確認します。
- 広告が意図した設定で配信されているか
- 日予算や月予算に問題がないか
- 想定したペースで予算が消化されているかを日次で確認する
- 広告のリンク先が正しいか
- バナーや広告文が正しいか
- コンバージョンタグが動作しているか
- GA4でデータを取得できているか
- 請求・支払い情報に問題がないか
特に計測設定に不具合があると、広告自体は配信できていても成果を正しく評価できません。
切り替え直後にテストを実施しましょう。
広告代理店の変更時に引き継ぐもの

代理店変更では、広告アカウントだけを引き継げばよいわけではありません。
広告運用をスムーズに継続するためには、過去の運用データや計測環境、制作物、自社独自の運用ルールなども共有する必要があります。
主な引き継ぎ項目を確認しておきましょう。
広告アカウントと管理権限
まず、利用している広告媒体のアカウントを整理します。
たとえば、
- Google広告
- Yahoo!広告
- Meta広告
- LINE広告
- Microsoft広告
などです。
各アカウントについて、自社担当者、支払い担当者、現在の代理店など、誰にどの権限が付与されているか確認します。
新代理店へ必要な権限を付与した後、引き継ぎが完了したことを確認してから旧代理店の権限を削除しましょう。
キャンペーン設定と運用データ
広告運用では、過去に蓄積した設定やデータも重要な情報です。
具体的には、次の内容を整理しましょう。
- キャンペーン
- 広告グループ
- キーワード
- 除外キーワード
- ターゲット
- 広告文
- 入札方法
- 予算
- 広告費
- クリック数
- コンバージョン数
- CPA
- ROAS
数値だけでなく、「このバナーでは成果が良かった」「この訴求ではCVRが下がった」といった過去の検証結果も共有すると、新代理店が同じ失敗を繰り返すのを防げます。
計測タグとアクセス解析環境
広告成果を正しく計測するための環境も引き継ぎます。
たとえば、
- Google Analytics 4
- Googleタグマネージャー
- Google広告のコンバージョンタグ
- Metaピクセル
- 各媒体の計測タグ
などです。
どのイベントをコンバージョンとして計測しているのかも一覧化しましょう。
たとえば、BtoBサイトなら「問い合わせ」「資料ダウンロード」「セミナー申込」など、複数のCVを設定している場合があります。
新代理店への切り替え後は、テストコンバージョンを行い、正しく計測されているか確認してください。
広告素材と制作物
これまで利用してきた広告素材も整理します。
主なものは次のとおりです。
- 広告文
- 画像
- バナー
- 動画
- ロゴ
- LP
- キャッチコピー
今後も制作物を編集して利用する可能性がある場合は、画像や動画などの元データを受け取れるか確認しましょう。
ただし、制作物を自由に利用できるかどうかは契約内容によって異なります。
著作権や利用範囲、二次利用の可否についても契約書を確認してください。
運用ルールと社内情報
新代理店には、広告管理画面だけではわからない自社独自の情報も共有しましょう。
たとえば、
- 広告で使用できない表現
- バナー・広告文の承認フロー
- 予算変更時の承認方法
- ターゲット企業・顧客像
- 競合企業
- 過去の問い合わせ傾向
- 商談につながりやすいリード
- 繁忙期・閑散期
などです。
代理店変更後の立ち上がりを早めるには、新しい担当者が自社の事業や顧客を早期に理解できる環境を作ることが重要です。
広告代理店の変更に関するよくある質問

ここでは、広告代理店を変更する際によくある質問に回答します。
Q. 現在の代理店にはいつ変更を伝えるべきですか?
まず、現在の契約書に記載されている解約予告期限を確認しましょう。
「解約日の1か月前まで」「2か月前まで」など、期限は契約によって異なります。
広告配信の空白を避けたい場合は、解約を伝える前にある程度新代理店の候補を絞り、切り替えスケジュールを想定しておくと進めやすくなります。
ただし、契約上の通知期限を過ぎないよう注意してください。
アカウントやデータの引き継ぎにかかる期間も考慮し、余裕を持って進めましょう。
Q. 広告配信を止めずに代理店を変更できますか?
既存の広告アカウントを継続利用できる場合は、広告配信を止めずに代理店を切り替えられる可能性があります。
たとえば、広告主が管理するGoogle広告アカウントへ代理店がマネージャーとして接続している場合、新代理店へ必要なアクセス権を付与したうえで、旧代理店との接続を解除する方法があります。
ただし、代理店の契約やアカウントの管理状況によって対応方法は異なります。
旧代理店と新代理店の稼働期間、権限変更のタイミングを調整し、変更後には広告配信とコンバージョン計測が正常に行われているか必ず確認しましょう。
Q. 代理店名義の広告アカウントは引き継げますか?
代理店側で作成・管理している広告アカウントを引き継げるかどうかは、契約内容や代理店の運用方針によって異なります。
移管できない場合は、下記のような情報を可能な範囲で取得しておきましょう。
- 過去の広告レポート
- キャンペーン構成
- キーワード
- 除外設定
- 広告文
- ターゲット
- 過去の改善内容
今後の代理店変更や内製化も考慮するのであれば、新代理店との契約時に、自社で管理できる広告アカウントを利用できるか確認しておくことをおすすめします。
Q. 代理店の変更にはどのような費用がかかりますか?
広告代理店の変更では、新代理店へ支払う運用手数料以外の費用が発生する場合があります。
たとえば、次のような費用です。
- 初期費用
- 広告アカウント構築費
- 計測環境の設定費
- バナー制作費
- 動画制作費
- LP制作・改善費
さらに、現在の代理店との最低契約期間が残っている場合は、違約金や残存期間分の料金が発生する可能性もあります。
新代理店の月額料金だけではなく、変更時に必要になる費用を含めて総額を確認しましょう。
Web広告の運用先を見直すならトゥモローマーケティングへ

「現在の代理店から具体的な改善提案が出てこない」「広告を運用しているものの、成果に納得できない」といった課題がある場合は、運用体制そのものを見直すことも一つの方法です。
トゥモローマーケティングでは、顧客や事業への理解を重視し、現状の数値や競合状況を分析したうえで、効果が期待できる施策から提案・実行する伴走型のマーケティング支援を行っています。
Web広告についても、広告運用・内製支援サービスを提供しており、広告だけに限定せず、必要に応じてWebサイトやLPなどを含めたマーケティング施策を支援できます。
「今の広告運用のどこに問題があるかわからない」「代理店を変更すべきか第三者の視点から相談したい」という場合は、トゥモローマーケティングへお気軽にご相談ください。
広告代理店の変更は目的と引き継ぎ内容を明確にして進めよう

広告成果が改善しない、具体的な提案がない、コミュニケーションに問題があるといった状態が続いている場合は、広告代理店の変更を検討するタイミングです。
ただし、成果が悪い原因が広告代理店にあるとは限りません。LPや商品、価格、計測環境、営業対応なども確認し、現在の代理店で改善できる余地がないか整理したうえで判断しましょう。
実際に代理店を変更する場合は、契約期間や解約条件だけでなく、広告アカウントの管理権限、過去の運用データ、計測タグ、制作物などの引き継ぎ可否を確認することが重要です。
旧代理店の契約終了日と新代理店の運用開始日を調整し、広告配信や計測への影響を抑えながら計画的に進めましょう。
Web広告の成果や現在の運用体制を見直したい場合は、伴走型のマーケティング支援を提供するトゥモローマーケティングへご相談ください。


