Googleリスティング広告のマッチタイプとは?|設定方法・使い分け方を解説

リスティング広告のマッチタイプとは、広告がどのような検索クエリに対して表示されるかを決定する設定です。「完全一致」「フレーズ一致」「部分一致」などがあり、各タイプにより広告の表示範囲が変動し、他の競合とのオークションで広告の表示が決定します。

マッチタイプの仕組みを理解することで、広告運用の費用対効果を向上させることが可能です。しかし、以下のような疑問を持っている担当者も多く、リスティング広告の費用対効果を改善できないケースも散見されます。

「そもそもマッチタイプってなんだっけ?」

「マッチタイプを変えたり適正にすると何に効果があるのか知りたい」

そこで本記事では、リスティング広告のマッチタイプというテーマで以下の内容を解説しています。

  • マッチタイプの使い分け方や効果について
  • マッチタイプの設定方法
  • マッチタイプが正しく使えているか分析する方法

Googleリスティング広告のマッチタイプとは?

Googleリスティング広告のマッチタイプとは?

Googleリスティング広告のマッチタイプとは、検索クエリと広告の関連性を定義するための設定です。

Googleリスティング広告のマッチタイプは「完全一致」「フレーズ一致」「部分一致」の3つです。

マッチタイプ

特定のキーワードのみに広告を表示する「完全一致」など、各マッチタイプによって広告の表示範囲が異なります。

これらのマッチタイプを適切に組み合わせることで、無駄なクリックを減らした広告運用が可能となり、費用対効果の高い広告運用が実現します。

【キーワード設定「ランニングシューズ」の場合】

マッチタイプ表示される検索クエリメリット
完全一致ランニングシューズランニング 靴検索クエリと最も関連性の高い広告を表示できる広告表示を減らし、無駄なクリックを防ぐ
フレーズ一致青いランニングシューズランニングシューズ 購入キーワードの順序が維持されるため、ユーザーの検索意図をより正確に捉えられる部分一致ほど広がりすぎない適度なリーチが可能
部分一致走りやすい靴ナイキ ランニングシューズ広い範囲の検索クエリをカバー自分達では気付けないユーザの細かい検索ニーズにも出稿できる

完全一致

Googleリスティング広告のマッチタイプ「完全一致」は、指定したキーワードと完全に一致する検索クエリに対して広告を表示する設定です。

完全一致の仕組みは、以下のように非常にシンプルです。

キーワード設定表示される検索クエリ
ランニングシューズランニングシューズ
ランニング 靴

完全一致には、以下のようなメリットとデメリットがあります。

メリットデメリット
検索クエリと完全に一致するため、最も関連性の高い広告を表示できる意図しないユーザーへの広告表示を減らし、無駄なクリックを防ぐことができる設定した単語によっては、トラフィックが少ない潜在的な顧客を逃す可能性がある

完全一致は、特定の商品やサービスに焦点を当てたい場合や、予算を効率的に使いたい場合に適しています。ただし、完全一致のみでは表示機会が非常に限られるため、他のマッチタイプ(フレーズ一致や部分一致)を併用しましょう。

これにより、より幅広い検索クエリに対応し、潜在的な顧客へリーチできます。また、完全一致でも以下のような場合には、広告が表示される仕組みとなっています。

  • 同義語や略語(例:「車」と「自動車」)
  • スペルミス
  • 単数形と複数形

参考:Google広告ヘルプ

フレーズ一致

フレーズ一致とは、登録したキーワードを含み、かつ語順(前後)が同じ場合に掲載されるマッチタイプです。また、設定したキーワードの順番を保ったまま、その前後に他の言葉が付け加えられても広告が表示されます。

フレーズ一致の表示例は以下の通りです。

キーワード設定表示される検索クエリ
ランニングシューズ青いランニングシューズ
ランニングシューズ 購入
ランニングシューズ おすすめ

フレーズ一致には、次のようなメリットとデメリットがあります。

メリットデメリット
キーワードの順序が維持されるため、ユーザーの検索意図をより正確に捉えられる完全一致よりも広範囲の検索クエリにマッチしつつ、部分一致ほど広がりすぎない適度なリーチが可能完全一致より精度が落ちる意図しない検索にも表示される可能性あり

フレーズ一致は、ターゲット層の多様なニーズに対応しつつ、ある程度の関連性を維持したい場合に適しています。

完全一致よりも広い範囲の検索クエリに対応できるため、潜在顧客の発見にも有効です。

部分一致

Googleリスティング広告のマッチタイプ「部分一致」は、最も幅広い広告表示を実現する設定です。

キーワードの類義語や関連語、さらには誤字脱字を含む広範な検索クエリに対して広告を表示します。

部分一致の表示例は以下の通りです。

キーワード設定表示される検索クエリ
ランニングシューズジョギングシューズ
ランニング用 靴
走りやすい靴
ナイキ ランニングシューズ

部分一致には、次のようなメリットとデメリットがあります。

メリットデメリット
広い範囲の検索クエリをカバー自分達では気付けないユーザの細かい検索ニーズにも出稿できる関連性の低い検索にも表示される可能性無駄なクリック費用が生まれやすい

部分一致の特徴として、自分たちでは気づきにくい意外なキーワードを発見できる点が挙げられます。

例えば「ダイエット食品」というキーワードを設定した場合「糖質制限おやつ」や「低カロリー間食」など、直接的には想定していなかった関連検索にもマッチする可能性があります。

これにより、新たな顧客層や需要を発見し、新規顧客獲得の機会を広げることができます。

しかし、この柔軟性の高さゆえに、不要なキーワードにもマッチしやすいという課題があるため、定期的な除外キーワードの設定などの調整が必要です。

リスティング広告のマッチタイプの使い分け方や効果について

リスティング広告のマッチタイプの使い分け方や効果について

マッチタイプを効果的に使い分けることで、広告キャンペーンの成果を最大化することができます。

リスティング広告のマッチタイプの使い分け方や効果を以下2つのケースに分けて紹介します。

  • コンバージョンを増やしたいとき
  • コンバージョン単価を抑えたいとき

現状のリスティング広告の課題に合わせて、最適なマッチタイプを選定する方法を見ていきましょう。

コンバージョンを増やしたいとき

リスティング広告のマッチタイプを効果的に使い分けることで、コンバージョンを増やすことができます。この戦略は、キャンペーンの各段階に応じて最適なマッチタイプを選択し、徐々に精度を高めていく方法です。

使い分け方は、以下の通りです。

フェーズ使用するマッチタイプ
初期(1〜2ヶ月)部分一致
中期(3〜6ヶ月目)部分一致→フレーズ一致
後期(6〜12ヶ月目)フレーズ一致、完全一致

まず初期では、部分一致を使用して幅広い検索クエリに対するデータを収集します。中期は、初期に収集したデータを基に、効果的なキーワードをフレーズ一致に変更していきましょう。

これにより、関連性の高い検索クエリへの対応が強化され、コンバージョン率が向上します。同時に部分一致を継続使用して新たなキーワードを探索します。

後期では、フレーズ一致を中心に安定した運用を行いながら、必要に応じて完全一致も併用し、広告の精度と効率をさらに高めましょう。

コンバージョン単価を抑えたいとき

リスティング広告のマッチタイプを戦略的に使い分けることで、コンバージョン単価を抑えることもできます。この方法は、高い関連性を維持しつつ、段階的に広告の精度を高めていく戦略です。

使い分け方は、以下の通りです。

フェーズ使用するマッチタイプ
初期(1〜2ヶ月目)フレーズ一致、完全一致
中期(3〜6ヶ月目)フレーズ一致→完全一致
後期(6〜12ヶ月目)完全一致、部分一致

まず、キャンペーン初期ではフレーズ一致と完全一致を中心に使用し、最も関連性の高い検索クエリにターゲットを絞り、質の高いトラフィックを獲得します。

次に、中期では広告のパフォーマンスを綿密にモニタリングし、効果的なフレーズ一致キーワードを完全一致に変更していきましょう。後期段階では、特に効果の高いキーワードに注力し、完全一致を多用することで無駄なクリックを最小限に抑えます。

また、部分一致を慎重に導入し、新たなコンバージョンキーワードを探索しつつ、コスト管理を徹底します。

Googleリスティング広告のマッチタイプの設定方法

Googleリスティング広告のマッチタイプの設定方法

Googleリスティング広告のマッチタイプの設定方法は、以下の手順で実施します。

引用:Google広告

Google広告にログインして「キーワード」を追加したい広告グループを選択してください。

マッチタイプの設定方法2

引用:Google広告

「+」をクリックします。

マッチタイプの設定方法3

引用:Google広告

キーワードを追加して「保存」をクリックしてください。

この段階で以下の記号をつけて登録してマッチタイプを設定することも可能です。

マッチタイプ入力例
完全一致[ランニングシューズ]
フレーズ一致“ランニングシューズ”
部分一致ランニングシューズ

キーワードを登録するときのデフォルトは「部分一致」となっています。

参考:キーワードのマッチタイプについて|Google広告ヘルプ

マッチタイプの設定方法4

引用:Google広告

上記画像のように登録したマッチタイプの項目から変更が可能です。

Googleリスティング広告でマッチタイプが正しく使えているか分析する方法

Googleリスティング広告でマッチタイプが正しく使えているか分析する方法

Googleリスティング広告でマッチタイプが正しく使えているか分析する方法は、以下の通りです。

  • ステップ1:検索語句レポートの表示
  • ステップ2:データの整理と分析
  • ステップ3:パフォーマンスの確認
  • ステップ4:キーワードとマッチタイプの調整
  • ステップ5:マッチタイプの比較と改善

ステップ1:検索語句レポートの表示

はじめに「検索語句レポート」をダウンロードします。

検索語句レポートとは、広告の表示につながった検索語句を一覧にしたものです。

マッチタイプが正しく使えているか分析するのに欠かせないデータのため、以下手順でダウンロードしましょう。

検索語句レポートの使用方法

「キャンペーン」→「分析情報とレポート」→「検索語句」をクリックします。

検索語句レポートの使用方法2

検索語句が表示された右上の「ダウンロード」をクリックすれば完了です。

ステップ2:データの整理と分析

続いて、検索語句レポートの以下データを見やすいように整理します。

検索語句レポートで取得できるデータは、以下の通りです。

項目説明
検索クエリ ユーザーが実際に検索したキーワード
一致タイプ広告表示のマッチタイプ(完全一致、フレーズ一致、部分一致など)
クリック数各検索クエリからのクリック数
表示回数各検索クエリでの広告表示回数
CTRクリック率(クリック数 ÷ 表示回数)
CPCクリック単価
コンバージョン数各検索クエリからのコンバージョン数
コンバージョン率各検索クエリのコンバージョン率(コンバージョン数 ÷ クリック数)
コンバージョン単価1コンバージョンあたりのコスト

このデータを整理することで、各マッチタイプの効果を詳細に把握することができます。

例えば、CTRやコンバージョン率が高い検索クエリを特定し、それらがどのマッチタイプで表示されているかを確認できます。

データの整理が完了したら、次のステップとして実際の分析に進みましょう。

ステップ3:パフォーマンスの確認

Googleリスティング広告のマッチタイプの効果を正確に把握するには、パフォーマンスの詳細な確認が不可欠です。

この段階では、各マッチタイプの特性に基づいて、それぞれの効果を慎重に評価します。

以下の表は、各マッチタイプのパフォーマンス確認ポイントをまとめたものです。

マッチタイプ確認ポイント見るべき指標
完全一致無駄なクリックが少ないか確認クリック率(CTR)
コンバージョン率(CVR)
クリック単価(CPC)
フレーズ一致関連性の高い検索クエリが多く含まれているか確認クリック率(CTR)
コンバージョン率(CVR)
部分一致関連性が高く、効率的にトラフィックを集められているか確認表示回数
クリック率(CTR)
コンバージョン数(CV)

例えば、完全一致のパフォーマンスを評価するときのポイントは「無駄なクリックが少ないか」です。

  • クリック率(CTR): 高いCTRは関連性が高いことを示す
  • コンバージョン率(CVR): 高いCVRはクリックがコンバージョンにつながっていることを示す
  • クリック単価(CPC): 低いCPCは効率的な費用運用を示す

上記のように各指標が良好であれば、無駄がクリックが少ないと判断できるでしょう。

ステップ4:キーワードとマッチタイプの調整

Googleリスティング広告のパフォーマンスを最適化するには、キーワードとマッチタイプの適切な調整が不可欠です。

分析結果に基づいて、効果的な調整を行うことで、広告効果を大幅に改善できます。

まず、パフォーマンスの低いキーワードに注目します。

例えば、コンバージョン率が低く、コストが高いキーワードは、次のように調整します。

ケース調整方法
完全一致で成果が出ていない場合フレーズ一致に変更し、関連する検索クエリの幅を広げる
フレーズ一致で効果が低い場合部分一致に変更して、より多様な検索クエリにリーチする
部分一致で関連性が低い場合フレーズ一致や完全一致に絞り込み、精度を高める

次に、除外キーワードの追加も重要です。

例えば「部分一致」でコンバージョンにつながっていないキーワードからのクリックが多い場合は除外キーワードへ登録すべきでしょう。

除外キーワードの設定

除外キーワードは「検索キーワード」から追加が可能です。

ステップ5:マッチタイプの比較と改善

この段階では、各マッチタイプのパフォーマンスを詳細に分析し、最適な組み合わせを見出すことが目標となります。

まず、CPA(獲得単価)やCV率(コンバージョン率)などの重要指標を用いて、マッチタイプごとの効果を比較します。

例えば、完全一致のCVA率が高く、部分一致のCPAが低い場合、それぞれの長所を活かした以下のような改善策が考えられます。

マッチタイプ改善策
完全一致高いCV率を活かし、予算配分を増やす
フレーズ一致中程度のCPA/CV率なら、キーワードの絞り込みを行う
部分一致CPAが低ければ、関連性の高い新しいキーワードを発見するツールとして活用

これらの分析と改善を定期的に行うことで、マッチタイプの最適な組み合わせを見出し、広告効果を継続的に向上させることができます。マッチタイプが正しく使えているかの分析が困難な方は、ぜひ当社までご相談ください。

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リスティング広告でマッチタイプを設定するときの注意点

リスティング広告でマッチタイプを設定するときの注意点

最後に、リスティング広告でマッチタイプを設定するときの注意点を2つ紹介します。

  • 同一KWで複数マッチタイプを設定した場合は使用キーワードがルールによって決まる
  • 除外キーワードと配信キーワードではマッチタイプの拡張範囲が違う

同一KWで複数マッチタイプを設定した場合は使用キーワードがルールによって決まる

リスティング広告でマッチタイプを設定する際、同一キーワードに複数のマッチタイプを設定した場合の優先順位を理解することが重要です。

Google広告では、同一キーワードに複数のマッチタイプが設定されている場合、明確な優先順位に従って使用されるキーワードが決定されます。

  • 優先順位1位:完全一致
  • 優先順位2位:フレーズ一致
  • 優先順位3位:部分一致

例えば「ランニングシューズ」というキーワードに対して、完全一致、フレーズ一致、部分一致のすべてを設定した場合、完全一致の「ランニングシューズ」が最優先で使用されます。

除外キーワードと配信キーワードではマッチタイプの拡張範囲が違う

リスティング広告でマッチタイプを設定する際、配信キーワードと除外キーワードの拡張範囲の違いを理解することも重要です。

配信キーワードのマッチタイプは広範に拡張されるのに対し、除外キーワードのマッチタイプはより限定的に適用されます。

違いは、以下の通りです。

マッチタイプ除外キーワード配信キーワード
完全一致登録キーワードと全く同じ検索語句のみを除外登録キーワードと完全に同じ意味の語句で検索された場合に広告表示
フレーズ一致登録キーワードと同じ語句が同じ語順で含まれている検索語句を除外登録キーワードと同じ意味の語句を含む場合に広告表示
部分一致語順に関係なく、登録キーワードの単語が含まれている検索語句を除外登録キーワードと意味が異なっても、関連性があれば広告表示

この違いを理解し、適切に設定することで、より精度の高い広告配信が可能となります。

したがって、配信キーワードと除外キーワードの範囲を慎重に設定し、定期的に見直すことが重要です。

まとめ

Googleリスティング広告のマッチタイプとは、検索クエリと広告の関連性を定義するための設定です。「完全一致」「フレーズ一致」「部分一致」の3つのタイプに分類されます。

コンバージョンを増やしたいときは「部分一致」、コンバージョン単価を抑えたいときは「フレーズ一致」「完全一致」を利用するのが一般的です。また、出稿後はマッチタイプが正しく使えているか分析しましょう。

分析と改善を定期的に行うことで、マッチタイプの最適な組み合わせを見出し、広告効果を継続的に向上させることができます。

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